システム構築での注意点

当社では、測定器(テスター)、変換器(インターフェース・スイッチングマトリックス等)、プローバー、プローブカード、そしてソフトと各ユニットを纏め上げ顧客の要求に合ったシステムを構築し提供している。ここで問題となるのが如何に測定器の能力をロス無くデバイスまで到達できるかである。 今回は、伝送線路(マイクロ波を例えに)について説明する。

2008年8月

 

マイクロ波回路において、信号源側と負荷側とでは、同じインピーダンスにすることによって、最大限に信号が伝達される。(マイクロ波に限らず低周波でも同じである。)通常、マイクロ波回路ユニットは入出力インピーダンスが50Ω(テレビなどは75Ω)に設定されているのですが、それらを接続するものが伝送線路だ。っていうと「それは、ただ電線でつなげばいいこと!?」ということになってしまいそうだが、マイクロ波では、そう簡単にはいかないところが特徴でもある。 さて、そんな伝送線路の構造は、大きく分けて次の二つが考慮されている。(1)信号が放射して損失が増大しないように、外部をシールドする。(2)伝送線路をユニット間に接続することによってインピーダンスが乱れないようにする。

 

まず(1)についてだが、高周波信号を水にたとえると、わかりやすい。水道の水を送るにはホースを使う。そうすると水は、目的の場所へ送ることが出来る。(穴が開いていれば別だが・・・)しかし、ホースが無ければ水は、垂れ流しになって、少しも目的の場所へ送ることは出来なくなってしまう。このホースこそが、伝送線路だ。マイクロ波信号が空間を自由に飛び交うさまは、テレビや、携帯電話の高周波信号(電波)を見ればわかる。要は、マイクロ波信号を空気中に漏れないようにしなければならないということだ。

 

次に(2)についてだが、伝送線路はその構造によって信号ライン自体にはインダクタンス成分がある、信号ラインとグランド(シールド)の間には、コンデンサ成分が生じてしまう。そこで、伝送線路には負荷の50Ωに伝送線路を接続しても、信号側からみたインピーダンスが同じ50Ωになるようになっていて、その時の伝送線路のインピーダンスを「特性インピーダンス」と呼んでいる。 特性インピーダンスは単位長あたりのインダクタンスをL、単位長あたりのキャパシタンスをCとすると下記のような式となる。

この式で重要なのは、特性インピーダンスは数式の中にfやωという文字が入っておらず、すなわち周波数に依存しないということだ。

 

少しまとめると、伝送線路は、信号をロス無く伝達するためのシールドなどの構造物があり、固有の特性インピーダンスを持っている。信号、負荷インピーダンスと同じ特性インピーダンスの伝送線路を接続すれば、信号源側から負荷側を見たインピーダンスは伝送線路が無い時と同じになる。ということになる。これで、「50Ω同軸ケーブルをテスターでどこを測っても50Ωを示さないのにどこが50Ω??」という謎が解けるわけだ。

 

最後に、システムを構築するにあたり、測定器の能力を如何に発揮できるかが重要である。それぞれのユニットを組み合わせていくと、そこで伝送線路に乱れが生じる。「どうして、測定器のスペックが、こうなっているのに、値が一桁違うの?」といわれる時がある。一つの重大な要素として伝送経路が挙げられる。マイクロ波の伝送経路例えに説明したが、微小電流、高電流/耐圧でも同様なことがいえる。


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