ESDテストの代表格、HBM(Human Body Model)テストシステムを紹介

ESDテストと一言に言ってもいくつもの種類がある。HBM、MM、CDM、TLP、TLU、そして最近新しく出てきたHMM(Human Metal Model)だ。これらはどのような条件で静電破壊が起こるのか、をベースに測定手法が変わってくる。それらを決めているのはIECであり、ESDAであり、そしてJEDECやJEITAでもある。今回はその中でESDテストの代表格であるHBM(人間が電荷を持ち、それによるデバイス破壊現象)をウェハーテストしよう、というアイディアだ。
※ちなみにHMMは人間が金属を持っており、 その金属を通してESD現象が起こることを指す。
2008年8月

 

Grund Technical Solutions, LLCがこのGTSの社名、Grundは社長(創業者)の名前から来ている。
今回のこのテスターはウェハー上で2ピンHBMテストが出来るシステムだ。ウェハーでもベアダイでもパッケージでもが測定できるシステム構成になっている

 

 

このシステムの特徴として

被測定物の形状をこだわらない
  ⇒Wafer、BareDie、Pkgなど対象物にフレキシ
   ブルに対応、Wafer/Pkg相関データが1台で!

テストシステム全体の寄生成分を極限に抑える
  ⇒詳細は下の文章を参照

測定後、スコープでIVカーブも描ける
  ⇒OK/NGのデータだけでなく、印加波形を確認
   したり測定結果やIVカーブをも描くことが出来る

デバイス不良破壊後の解析用IV測定器も可
  ⇒IV測定器を取り付けることにより、破壊後や
   破壊直前のデバイス特性を取ることが可能

フィクスチャーボードやデバイスソケット不要
  ⇒デバイスのタイプが変わる度に用意せざるを
   得なかった消耗品が不要になり、低COOを実現

 

特徴の一つにあげた【寄生成分を極限に抑える】について少し述べておこう。 このシステムでは2ピンテストを行う為、リレーを沢山付けての切り替えシステムが持つ特有の問題を回避できる特徴がある。ではそのリレーをつけることの問題点とは何か?それが測定システムで最も気を使う【寄生成分】だ。リレーを付けると言う事はリレー自体の寄生成分を受け継ぐことになる。測定にスピードが要求されるこのテストでは特にLCRの成分が気になる部分だ。

このテストシステムはJEDECとESDA(ESD Association)に準拠したシステム構成になっている。テスト速度はとても速い。それをウェハーテストで行うと、下記のステップを1s以内で行うことが出来る。(実測750ms程度)

1.プロービングする
2.IV測定
3.Positiveパルス測定
4.Negativeパルス測定
5.IV測定
6.次のダイへ移動

テストシステムとしてセットアップされているからこそのスピードであろう。このシステムは標準で10V〜4kVまでの電圧に対応し、オプションで8kVまで可能だ。また、追加でMM(Metal Model)波形を10V〜400Vで出力することも可能だ。

 


DUTレスポンスでのIV測定結果

 

このGTS社、シリコンバレーに位置し、各方面からのエキスパートで成り立っている。主要メンバーを紹介しよう。左から

Evan Grund:社長兼設計者
  ⇒Oryx社の副社長の経歴を持つ
Kyle Grund:ソフトウェアエンジニア
  ⇒Oryx社勤務時代にテストプログラムを
   全て組んでいる経験を持つ
Roger Watkins:マニュファクチャマネージャ
  ⇒Oryx社勤務時代に工程を管理
   していた経歴を持つ
John Fursdon:セールスエンジニア
  ⇒IECパルステストに関連した2製品販売
   管理実績を持つ
Jay Thomas:営業/マーケティングディレクター
  ⇒半導体業界に特化し、アジレント社での
   職務経歴やプローブカードメーカーでの
   営業経験を持つ

これからの会社だ。ぜひ日本市場で「今まで出来なかった事」や「現在困っている事」を解決する為にも頑張りたい。

 

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